季節と食養生
facebook竹元 久了さん投稿記事
🌷二十四節気と自らの体とつなげてとらえた食養生が健康体を作る❗
中国には古くから医学の書籍が数多くある。最も古い『黄帝内経』には、「聖人不治已病治未病」(聖人はすでにかかった病を治すのではなく、まだ発病していない病を治す)と説かれている。この聖人とは、宗教における高僧や学問の大学者ではなく、生命の法則に従い、季節に応じた飲食によって健康を保ち、病を未然に防ぐ生活を心得ている大家のことだと思う。
中国人は、病気に対して「三分の治療、七分の養生」という考えがあり、病院に行き、医者に診てもらい、薬を飲み終わったところから本当の療養が始まると捉えている。
家での療養は食事療法が肝心だ。食事療法で求められるのは、「五味」をバランスよく摂ることである。その効果は、♦「甘味は脾臓に効き、酸味は肝臓に効き、苦味は心臓に効き、辛味は肺に効き、塩味は腎臓に効く」といわれ、普段の食事で「五味」の釣り合いが取れていれば、自然と健康体を保つことができるという。
中国医学の理論によると、人が病気になる主な原因は、体の内部の七情と、外部の六気にあるとされている。七情とは、精神的なストレスのことで病気の内因となる♦喜、怒、憂、思、悲、恐、驚の感情であり、六気とは、病気の外因となる自然界からの影響で、風、寒、暑、湿、燥、火(熱)を指す。だから、内部では感情をコントロールするEQ(心の知能指数)と精神の修養がとても重要だ。外部では、さまざまな外気が体内に入り込まないよう、適した衣服の着方が重要だ。
着衣について、美しさばかりを気にして自分がいる場所の環境(六気)をおろそかにする人がよくいる。二十四節気が示す季節の移り変わりや、温度の変化、天候の現象、動植物の季節現象は、全て中国医学でいう外部の六気と密接な関係がある。『黄帝内経』には、「風者、百病之始也」❗(風は万病の元)とあるように、風が人体に影響を及ぼす病名には、風邪(かぜ)や中風(脳出血)などの言葉があるので、天候を注意深く感じ、その対応を考えるべきだ。
また、自分が燥熱、虚寒、乾燥、痰湿のどの体質に当たるか、あるいは外燥内寒、外寒内燥、中性体質、酸性体質、アルカリ性体質などのどれに当たるかということを知り、それに応じて日々の食事を調節することが大切だ。中国医学における養生とは、自然の法則にのっとり、四季の変化に順応することを重んじている。
この点、『飲膳正要』には四季の食事についてのアドバイスが次のように書かれている――春は温かいので麦を食べて涼しさを得るのが良い。夏は熱いので緑豆を食べて体を冷やし、秋は乾燥するのでゴマを食べて潤いを補い、冬は寒いのでトウモロコシを食べて体温を補うのが良い。
私は、バランスの取れたあっさりした食事が大切だと信じているし、節気に合わせた「一方水土養一方人」(環境は人を造る)という考え方も健康維持(養生)の大きな知恵であると考えている。私たちが住む各地域には、その土地の薬草を使った民間療法がある。現地で育った植物や薬材は、現地で育った人に対して自然と作用するものだ。
私は子どもの頃から、食材の性質――体を温める食べ物(熱性)であるか、冷やす食べ物(涼性)であるかを覚えるように言われてきた。その根拠や科学的データの有無などは分からないが、古くからの言い伝えであるだけに、言われるままに記録してきた。涼性と熱性の食材は、季節や個人の体質に合わせて適度に摂取すべきで、食べ過ぎは良くない。どちらにも属さない平性の食材は多めに食べた方が良い。食べ物の性質については、諸説に多少の違いはあるが、おおよそ左下のように分類される。
各種の食材と生薬(漢方薬の原料)を適切に組み合わせ、旬の時期と現地の物を使う原則に従ってバランスよく摂取すれば、私たちの五臓六腑に滋養が行き届き、心身の保養ができる。中国医学は食事について「少なめに食べ、気持ち良く過ごす」を強調している。暴飲暴食は体に大きな負担を与えるので、毎日決まったものを決まった量だけ食べるのが胃腸に一番やさしいのだ。
♦中国医学はデトックスを重視する。問診の際、医師は舌や爪、爪半月(根元の白い部分)を診て便通の状況を聞く。便の形状や色に問題があると、注意を促される。便が過度に湿っているのは脾臓が弱っているサインだ。このような状態が長く続くと、湿気がうまく循環せず体内にたまり、まず脾臓を悪くする。
これはよく見られる現象で、生まれながらに「湿」の体質の人もいる。また、もともと五穀雑穀を主食とする身体の構造なのに、肉や生もの、冷たい物を摂り過ぎると「陰盛陽虚」(冷え性)の状態になり、悪い「湿」(水分)が体内にたまってしまう。それが長く続くと、体内にカビが生えるような状態になる。そう考えると、病気にかかりやすいのもよく分かる。
また便が硬いのは、体内の水分が不足していることを示す。ダイエットで食べる量が少ないと、十分に排せつできず、硬い便になり体内に残ってしまう。これも体には良くない。
私には、養生(健康管理)をよく知る年配の知り合いがいる。何年も前のことだが、80過ぎの友人が彼を訪ねてきたところにちょうど私も居合わせた。この友人はがんで腸の一部を切除し排便ができなくなり、毎日浣腸で生活を維持していた。友人が帰った後、私の知り合いは、「この人は長生きするよ!」と言った。私は驚いて、「そんなまさか。だって腸を切ったんですよ」と言うと、彼は「毎日腸に何もためないのだから、長生きするに決まっているよ」と言い放った。案の定、この年配の知り合いは亡くなったが、彼の友人は今もまだ元気に長生きしている。このことからも、デトックスが養生と長寿の秘訣であることがよく分かる。
その他にも、日常生活の中でクーラーと扇風機を使うのをなるべく控えることも大切だ。そうしないと体内に寒気がたまり、排出できなくなる。体内の寒気が強いほど汗をかきやすい、と年配の人はよく言う。汗にもいろいろなタイプがあるが、スムーズに発汗できなければ、体は賢い有機体なので、アレルギーという形で汗(寒気)を体外に排出する。養生に気を付ける人たちが体温より熱い湯をよく飲むのも、実は寒気が体に入らないよう防ぐためだ。
https://kotobuki-yakusho.co.jp/food-and-health-index/【季節のからだと食養生】より
春夏秋冬、旬の食材と身体の関係
日本は四季がはっきりしていて、およそ3ヶ月毎に季節が移り、それぞれ季節にともなって変化する食材を「旬」と称し、夏はからだを冷やし、冬はからだを温める食材が出回ります。
また、季節ごとに環境が変化するように、人間のからだも四季とともにさまざまな変化を起こします。季節の変わり目に倒れる人が多く見られることからも、季節の変化が、体にも影響していることがわかります。
「旬のものを食べると長生きする」といわれているように、これには二つの意味があります。
ひとつは、旬の野菜はそれだけで生命力に溢れた食材であるということ。芽吹き(スプラウト)の栄養素を取り入れることができます。
ふたつめは、旬の食材は味がよいことにくわえ、ビタミン、ミネラルなどの栄養素の含有量が多い。たとえばホウレンソウひとつをとってみても、旬の露地物と、季節に関係なくハウス栽培されたものでは、ビタミン群の含有量をはじめ、栄養や味も全く異なります。
「四季」に応じた食材を使って食事をすることが「食養生」の原点といえます。
江戸時代、福岡藩の儒学者 貝原益軒によって書かれた『養生訓(ようじょうくん)』は、健康を保つ生活についての解説書です。この中で、貝原益軒は、季節ごとの気温や湿度などの変化に合わせた体調管理をすることによってはじめて、「健康な身体での長寿が得られるもの」と述べています。
これらは、すべて益軒の実体験で、彼の妻もそのまま実践し、晩年も夫婦で旅に出かけるなど、仲睦まじく長生きしたといいます。貝原益軒の説く養生訓は、現代の生活習慣病の一次予防(※1)に繋がるものと言われています。
それぞれの季節で、からだにおこる変化を知り、季節にあった食材をとり、養生することが、健康の基本です。
※1一次予防とは、生活習慣および食習慣の改善、生活環境の改善、健康教育による健康増進を図り、疾病を予防して健康寿命の延伸を図ること。
参照:ja.wikipedia.org/wiki/
facebook森井 啓二さん投稿記事
食は、人生の質、霊性の進化にとても重要な要素です。でも無理してはいけません。
100点満点を目指さず、まずは60点、最高72点を目指すくらいがベストです。
毎日のことですから、無理せずゆるゆる楽しく実践することが、最もいいのです。
私たちが毎日食べている食べ物こそが、心の性質に大きな影響を及ぼしていることを、毎日の体験から真に理解していただきたいと思います。
そして、食べ物で肉体を維持する真の理由が、霊性の進化にあることを明確にすることで、
食べ物に対する意識は大きく変わります。日本人は、美しい地球を創造していく資質を備えている民族です。そうなるためには、まず浄化食を中心にした食生活の大改革が絶対に必要となります。この本には「浄化食」とは何かを書いた初めての本だと思います。
インドの本にはあるものの、日本人の食生活とは違います。美しい食を通して、世界は美しく変わります。毎日の清浄な食べ物から作り出されるエネルギーを、善い思い、美しい言葉、優しさに溢れた行動に活かされていけば、この地球、この宇宙はやがて壮麗な霊光に包まれて輝きを増していくことと思います。清浄な食事は、清浄な心の土台を作ります。
0コメント